批評というものの否定が、“禁止”を意味する場合の僕の反論は、批評とは即ち感想であって、それを禁止する事は即ち言葉狩りだ、というものだ。
今回はそっちじゃなくて。 批評(及び個人が感想を口にする事すら)を“不要”とする向き―好きなら好き、嫌いなら嫌いでヨシ、他人にいちいち示す必要は無い、という考え方に。 いや必要、それも嗜好者としての僕等自身にとって、あった方が絶対にいいものだ、と僕は言う訳だ。 「皇国の守護者」という漫画(原作は小説? また調べもしないで僕は紹介する訳だが(苦笑))を、後輩が絶賛と共に貸してくれなければ僕は絶対に読まなかった(存在を知りもしなかったし、知ってても読みはしなかったろう)。 感想は…大変素晴らしい! 私見でいつもの様にレビューをブツなら、戦略・戦記ものをロマンティックに描いた従来の作家達に死を(笑)! 戦記ものに纏わりついた男のロマンは、この作品で払拭された。「シャドウ・スキル」は戦士個人の物語としては、格闘ものとしては大変素晴らしいが、戦記ものとしてはやはり嫌いな部類だ。「シャドウ・スキル」や「ヘルシング」(←戦記ものじゃないけどね)で行われている、魂を打つ言葉で人を動かす行為を、「皇国の守護者」の主人公は、飾り立てた勇気で好意を勝ち取り他人に無茶を強いる偽善だとして、それを行う自分を殺したい程に嫌悪する。これは新しいぞ!? かと言って、道徳的に戦争の悲惨さを訴えるでもなく、日本史の授業で日露戦争について習うが如くの戦争のシーンがただ展開する。その間中、人間達は死ぬ死ぬ死ぬ…。 こんな風に語ってみたが、これは僕のアンテナで引っ掛けた作品では決してないのだ。 君の好みのジャンルのものでも、君が大好きになるであろう作品を君のアンテナだけでは見付けられない。 他人の批評・感想を閉ざした世界では、君の愛する君だけの世界も成り立たないのだ。
≫ >イイこと言った!
有難(笑)。 君のサイトのアクセス数が僕の意見の証明になるのだ!
≫ イカサマ / link / 2005-12-25 16:00 / R3iSA5Mw
≫ >他人の批評・感想を閉ざした世界では、君の愛する君だけの世界も成り立たないのだ。
イイこと言った! 以後オレも気をつけて生きていくことにする。
≫ SAM.B / link / 2005-12-21 09:16 / xq6P7ewk
http://head.usamimi.info/tb.php/22161
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