ライト・ノベルという語の登場の前だったか後だったかは忘れた。
松枝蔵人氏のその後は知らない。「パンゲア」も「瑠璃丸伝」も知らない。そう、「聖エルザクルセイダーズ」の話だ。 全4巻(角川スニーカー文庫,1988~89)の内第4巻目は外伝的なエピソードであり、1~3巻が一続きの長編となっている。 ミステリーを読まない僕がこの作品がミステリーとしてどれ程優れているかは言えないが、一つ語っておきたい事がある(但し、全く当時読んだ記憶だけで)。 あくまでも気弱でおとなしい少女が主人公のミステリー小説であるこの作品が、バトル・アクション劇画並みの格闘描写と設定を有している点だ。 繰り返すが、本作はミステリーであって、格闘シーンは本筋ではない。にも拘らず、時折挿入される暴力シーンに於いて本格格闘もの風の描写がされ、武術とその各流派の相関関係等凝った設定が明示される(但し、登場する各流派名は恐らく全て架空のものだ。「拳児」以降、何が勘違いされたか実在の流派を作品に登場させる事が当たり前になったが、MEE氏が「小鉄の大冒険」第1巻で語っている様に、一昔前まではそれはタブーとされていた。「拳児」原作者・松田隆智氏は日本の中国武術研究の第一人者であって、他の作家とは立場が違う)。 ミステリー小説であるこの作品にあっては、「空手の達人の私立探偵」の空手や「柔道の強い刑事」の柔道程度の役割のものに、これ程の描写がなされている。何と贅沢なのだろう。 無論、その他の要素が蔑ろにされている訳では全くない。武術の設定・格闘の描写など本筋ではないのだから。 凄く簡単に言ってしまうと、この小説は凄く面白かった。 しかし、松枝蔵人氏のその後を僕は知らない。 p.s.これが黒点老師こと伊東岳彦氏の出世作だって話もしといた方がいいのか?
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