メイン・キャラ2人を“この2人ともが主人公”という体裁でやってる作品の多くで、結局片方は事実上準主役になってたりするが、道明「せごどん」は、丁度反対にタイトルは西郷どんで内容も勿論西郷隆盛の英雄譚である!と謡いながら、その実西郷と大久保の話となっているのが面白い。
幕末の偉人伝に於いて、「西郷隆盛」といえば西郷と大久保の物語である、といった風だ。掲載誌『イブニング』の'06.No.24の扉では「薩摩史上 日本史上 世界史上 最高のツートップ!!」なんてアオリを打たれていた。 その上で、少年期の大久保…大久保正助どんは計算高く小賢しい面が強調されて描かれるが、西郷と双璧を成すもう一人の主人公としたからこそのその描写だ。 器量の狭い面を強調したからといって彼を小人と解釈する気は毛頭無いし、また太っとか、男らしか(笑)気性の西郷どんをただ讃えようという訳でもないという作者の意図も見て取れる。 好対照の2人がコンビで、歴史上等しく偉人で…という稀有な事例が、手放しである一人を賞賛する他の偉人伝と違った客観を可能にしている。 勿論作者がそれに気付いたからこそ。 歴史上の英雄が大好きな作家先生は多いが、道明氏は信用出来そうだ。
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