専門分野を扱った漫画の作者が、原作者と作画担当に分かれていなくて驚く事がある。驚くのは、扱っている分野の詳細さと作画レベルの高さを共に備えているからで、だから青木幸子『ズゥキーパー』第2巻で、作者に下手だの地味だのという批判がある事が語られていたのにも驚いた。主人公はおとなしめなルックスとはいえ美人だし、彼女をはじめ人物は皆個性的だし、各動物達の再現度も十二分だと思うのだが、どうか。
絵柄や画力のハナシなんてイイんだよ。 人の好い新米女性飼育員が主人公で、人情話に陥らない所がもう稀有だが、シビアだが好奇心(そもそもシビアさと矛盾しない)旺盛な園長や、園長とも主人公とも異なる信念(と個性)を持った各先輩飼育員達の存在が、この作品の冷静なバランス感覚を生み出している。 即ち、現実のシビアさ/リアリティーとドラマの醍醐味/エンターテインメント性が矛盾していない。 更に。リアルな世界観と裏腹に、主人公には温度が視認出来るという特殊能力が与えられている。 リアルな作品に、そんな超能力を持ち込む事を嫌悪する向きもあるだろうが、待ってくれ、サーモグラファーの目なんて、こういう専門科学ものじゃなかったら、使い勝手の分からない、意味を成さない能力だ。 非現実的な要素をリアリティーを増す為のギミックとする作家は間違い無く達人だ。
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