「「物をつくる(物をとる)」=「売る」=「買う」 これは流通の基本です。3つは相互関係です。とってくる者がエライだなんてとんだおごりです。あえて誰かがエライと言うならばそれは買ってくださるお客様に他ならない」
高倉あつこ「山おんな壁おんな」は、タイトル通り、胸が大きいだの小さいだのという話題が恒常的になされるコメディである。 が。 冒頭に掲げた台詞は、百貨店店員である主人公の片方が、故郷の漁師達(含母親)の「売ってる奴より獲ってくる者がエライんだ」という物言いに対してした反論で、これこそがそのまま本作のテーマだ。 骨太なテーマをコメディに落とし込めるとは、即ち、タフな作品だって事だ。 所で、本作は“ツートップ主人公を謳いながら事実上片方は準主役”タイプの作品には当たらない。周りの人間(含読者)から見て素性も思考も謎の主人公像というのがあるが、そのタイプの主人公を、物語をその視点で進める一人称タイプの主人公と並立させるというスタイルを実現しているのだ。
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