「日本のウィル・スミス? はいはい」なんて言ってたけど、ユウ・ザ・ロックと同じ間違いを犯してるぜ、「歯に衣着せず」の「衣」は「きぬ」って読むんだぜ…。
なんて細かい事が気になるのは僕の悪い癖だ。ザ・ブルー・ハーブの3rdアルバム「Life Story」は先行シングル「Phase 3」で示した通りの出来栄えだ。そしてライブも―。 6/2(土)タワー・レコード新宿店イン・ストア・ライブ。林立するC.D.棚とギュウギュウ詰めの客の前に、やってきたぜ、ブルーハーブ札幌が! 最初に出てきたD.J.ダイがぺコリと頭を下げる。ニコリともせずともすればふてくされている様にも見える顔つきと謙虚な立ち居振る舞いのギャップが好ましい。続いてボス登場。O.N.O.は居なかったので、この日のステージはこの二人で進められた。 「決して恵まれた声量とは言えないが、正確なブレス・コントロールとリズム感で送り出されてくるその声は、スリリングな即興アレンジの妙と相まって、“ラップ”というヴォーカル表現を好んで聴き込む者にとってはこのうえない快楽となる」と磯辺涼氏が語っていた通り(『ヒーローはいつだって君をがっかりさせる』)、極力シンプルでタイトなトラックに、吐息の混じり方・掠れ方・強弱が絶妙にコントロールされた肉声が乗るのを聴くのは、全くこの上無い快楽だ。ループする四分の四拍子と肉声、ラップを否定する言説・ラップを嫌悪する嗜好の存在が、僕には解らない。 僕が今迄に知るライブ/音楽のコンサートの内で最上と思うのは、ビデオで観た、ブルーハーブが'99年に六本木のコアで演ったライブだ(次点が'96年のナチュラル・ハイで観たボアダムス)。 今回初めて生で観た訳だが、僕はライブで盛り上がるタイプの客では無いので、ただボーッと聴いてた。故に曲間のボスのM.C.なども余り覚えていないが、ボスはパフォーマーとして熟練していると改めて思った。彼等アンダーグラウンドのエンターテイナーの凄い所はそれが全て各人の自己流だって事だ( 「D.I.S.」の「目を見りゃどんな奴かは伝わる」ってラインの所でサングラスをはずす位の事は当然やってみせる)。 そういえば、M.C.で「すすきのの路上から」って言ってた。すすきのの路上から、彼等はここ迄やってきた。 p.s.もし、僕を十分に信用出来ないなら(苦笑)、スペース・シャワーのサイト(http://www2.spaceshowertv.com/DAX)のザ・ブルーハーブ特集(「THA BLUE HERB SPECIAL」(~6/22迄))で、'99.5.2の「AMENIMOMAKEZU」のライブの映像を観るといい。これが日本語の本当のラップだ。「AMENIMOMAKEZU」というだけあって、このライブでは最後のバースで宮沢賢治を引用している(「告別」)が、宮沢賢治にはやはりこんな血を吐く様なスポークン・ワーズが最も似合う。
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