先月末に放映終了したT.V.アニメ「DARKER THAN BLACK」は、アニメ放映本数の尋常でない現在、確実に、すぐに忘れ去られる作品の一つだ。
いや寧ろ、酷評とかされて印象付くかも知れない。そんなもの(酷評)があるのかは知らないが、設定を皆台詞で言っちゃうのは良くないという感想を聞いた事があって、それはその通りだと思った。 如何にもな設定に如何にもなキャラクターを配し、それなりのエピソードをこなした、という評があるとすれば、それはその通りだろうと思う。 でも、他作品にあるお約束を実は守っていないという、地味な特徴(特長?)があった。 能力の高い特殊工作員が主人公の場合、その人物は余りうろたえたりポカをやったりはしないが、本作の主人公は割と読み違えをする。優秀である筈の彼等のチームだが、結構不手際が多いのだ。 そして、彼等はワルイ組織に抵抗しているのでも、そこから逃亡しているのでもなく、クライマックスのエピソード迄の間、ただ、組織の命令通り活動しているだけだった。つまり、彼等は本当に正義の味方などでは全くない、非合法組織の末端の工作員でしかなかった。ヒロイズムのカケラも無い。 美形キャラの配置にも意味が無い。美女・美少女が幾人も登場してはいるが、いわゆる“萌え”なんて無い。言うなれば、アキバ系作品からアキバ系的要素を抜いた様な…ってそれじゃ何も残らないじゃないか(笑)。 エンターテインメント性の無い地味な現実にS.F.アニメの外面を与えたものと言えるかも知れないし、逆にビジュアル系的スタイルのものを泥臭く表現する試みだったのかも、とも思える。 一言で言えばパッとしない。そして僕はこういうパッとしない作品が好きだ。 ヒーロー/ヒロインを讃え上げる様な物語はもうウンザリなんだよ。かと言ってダメ人間をショウ・アップするのも本当はもっての外なのだ。 その意味で、この作品は誠実だったと思う。
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