6/5(木)渋谷アックス。東京No.1ソウルセットのライブで、M.C.のビッケはピンクのコートに赤いマフラーという格好で、そして白地に大きな赤い星が1つ描かれた(湘南爆走族か!!因みに星には「1」と書かれていた)旗を振りかざして飛び出てきた。
渡辺俊美氏が、「楽しくてしょうがないんでしょ?」と語り掛けていたが、本当にビッケ氏はこういうのをノリノリと言うんだろうなと思わされる大はしゃぎ振りだった。 僕はソウルセットのライブを観るのは初めてだったのだが、多分以前はこうじゃなかったんだろう。「マイクをワイヤレスに換えてからアクティブになった」とビッケ氏は言っていたから。「ただ、しんどい。疲れが数日後に出る(笑)」とも。何せ、もう四十だ(笑)。 そんな具合のライブだったから、新作アルバム「No.1」と彼等がレゲエ・ユニットだった名残を感じないでもない1st「トリプル・バレル」や完成度の高い3rd「9 9/9」からの選曲ばかりで、閉塞し切っていた2nd「Jr.」の曲は、一番最後、アンコールの2曲目の「Jr.」だけだった。 この様な音楽のステージに於ける、ビッケの様な存在の重要性が解った気がした。川辺ヒロシ氏のターンテーブル、トシミ氏のギターやボーカルがずっと音を鳴らし続ける中、音の比率で言えばそれ程を占めている訳ではないこのポジションだが、“煽る”という事、即ちそれはレゲエに於けるトースティングに他ならないもので、それは必要なのかというと、必要なのだ。 4/4拍子の裏打ちの音楽にノるという事に於いて、この様なボーカル表現は必要なんだと思った。欧州クラシック音楽の指揮者の役割を理解しない者が居る。レゲエのトースターも、その様に必要な存在なのだろう。 その証拠に、ビッケ氏が居なければ、ソウルセットは始まらない。 取り敢えず、そんな事を思った。 後は…とてもピースフルで楽しいイベントだった、と。 6/6(金)横浜クラブ・リザード。金で買えない物がある様に、金でしか買えない物もある。今日食べる御飯とか、雨露を凌ぐ家とか。故に、朝から晩まで、晩から朝まで、もしくは朝から朝まで働いている人達にリスペクトを送る、とボスは言った。これは、連日の夜勤明けに来てる様な輩には嬉しい言葉だったに違いない。 そういう事も、ボスがリアルM.C.だと言われる所以では確かにある。ザ・ブルーハーブの音楽は―こういう言い方もいい加減され尽くしていて余りしたくはないが―巷の「励まされたような気分になる」最近の若いポップ・シンガーによる歌謡曲なんかのウソ臭さとはっきりと違う。ボスの地に足の着いた言葉は、そんなどれよりも若者を啓蒙するだろう。いや、彼等も歳を重ね、どちらかというと僕位の年齢の者への語り掛けとなっている感があるな。 …っていう事だけだったら、それは音楽の話じゃない。そういう立ち位置から鳴らす音楽がしっかりと骨太だったという事だ。 ボスのラッパーというボーカリストとしてのスキル、O.N.O.の曲、ダイのプレイ、曲間のM.C.、全体の進行…少しのスキ間も無く、ギッチギチに詰まっていて(タイト!っていう褒め言葉はここで使うのか!)、とても濃厚で、そしてそれは前述の様な立ち位置からくるプロフェッショナリズムによるものなのだ。 完璧なコンサートが、この晩横浜元町で開かれた。クラブ・カルチャー、ヒップホップというジャンルの音楽のライブについて、こういう言い方をする。こういう言い方が出来る。
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