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生楽器の音楽と、機材による音楽があって、ヒップホップは言うまでもなく後者な訳だが、にも拘らず肉声がメインに据えられ、そのスキルが非常に問われるという考えてみれば不可思議なジャンルだ。
ボス・ザM.C.という人は、その絶対的な表現力とは裏腹に声量・声質についてはラッパーとして特異ではないタイプとしてカテゴライズされていた筈だ…った。 ザ・ブルーハーブのニュー・シングル「PHASE3」、c/w曲「C2C4」のボスのフロウは、音楽詞の意味を汲まず音として聴き流すリスニングを嫌うボスには悪いが、音として大変素晴らしい。ともすれば嗄れているとすら言われそうな程に掠れ乾いた声が正確にリズムを刻む。これはラップの魅力そのもので、ヒップホップの魅力そのものだ。 「フェイズ3」とはよく言ったもので、彼等はまた一つ新しくなって帰ってきた。 「のだめカンタービレ」の感想を、今回のテレビ・アニメ版しか知らないまんま述べてみよう。
単行本の帯に「こんなに笑えるクラシックがあったのか!?」とあるが、そういう語られ方をする作品とも思えない。これは良質なグローイング・アップ・ストーリーだろう。千秋君の成長物語とすると、野田恵ちゃんはただのトリックスターって事になってしまうが、彼女も「今のままじゃ千秋とはいっしょにいれない」と指摘されてしまって、主人公である事が示される(笑)。彼等の友人峰君なんかの苦悩の描写もあって、同様のテーマを読者に近いレベルでも描いてみせている。 それらを実際的な技術やシーンの実情と絡めて描くのは、高レベルなスポーツ漫画と同様の手法で、そつが無い。 ただ、作品中で破天荒とされている事がどれほど破天荒な事なのか、ピンと来ない部分も、無いではない。 放映終了した「シュガーヒル・ストリート」だが、紹介されるべき者はまだまだ居た。
ザ・ブルーハーブ、M.S.C.、テンプルA.T.S.、イルリメ…なんてトンガったセレクトでなくて、彼等(シュガーヒル出演陣)周りの面子で1人居る。 ゴアテックス…独特の低く野太いダミ声は、客演として重宝されるが、1曲丸ごとましてやアルバム1枚をソロで作るのは難しいと言われていた。 しかし、'04年にリリースされたフル・アルバム「Reload」は、自身の特長をよく分析し生かしきった快作であった。 当時のレビューでどファンクと讃えられ、ファンクというともっと素朴で乾いたイメージを抱きがちな僕なども、確かに機械油の汚れがベットリとこびりついた様なこんなファンクもあるよなと思った。 これが唯一の方法で、この後はもう彼が押し出される事はあり得ないだろうか。 好むと好まざるとに拘わらず、日本のラッパー/ヒップホッパーで決して忘れてはならない人物だと思う、彼は。 スペース・シャワーのサイト(http://www2.spaceshowertv.com/DAX/)で、またボーっとM.S.C.「音信不通」のP.V.を観てたら、ふと、メンバーのO2ってラッパーの出だしのラインが耳に引っ掛かってきた。
「どうしたの、目出し帽なんかしてめかし込んじゃって。仕事か、行ってらっしゃい。お前が好きなカーソルで合わせてボタンを押すだけのアレとおんなじだから楽しんでらっしゃい」 …凄い。 ゲームと現実の区別の付かなくなった若者、なんて言葉はテレビからよく聞こえてくる。この物言いをそのまま歌う詞があったら、それにはクリエイティビティのカケラも無いと言わざるを得ないだろう。 やはりハードコア・ヒップホップは馬鹿に出来たもんじゃない。 それにしても、「どうしたの目出し帽なんかしてめかし込んじゃって」…こんな身も蓋もない韻詞を僕は聴いた事が無い(笑)。 「ウミショー」アニメ化の報を知って脱力してしまったのは、余りに予定調和だったからで。それなら「おとぎのまちのれな」でも、最初の作品「イヌっネコっジャンプ」でもよかったじゃんと思う訳で(僕が「ヤンマガアッパーズ」信奉者だからじゃなくて)。
はっとりみつる氏の作品の特徴は、アキバ・オタク系の作風で体育会系の人達の物語を描いている所で。そんなギャグ・コメディなら他にもあるが、悪ノリの過ぎるコメディのまんま、インターハイへも行ってしまおうかというスポーツ漫画をきちんとやってる点が違う。 そうすると、面白いのが、如何にも非現実的なキャラであるヒロインも、なかなか強烈な個性を持った他の水泳部員達と同じ選手として並列にされている所で、リアル・バスケ漫画「スラムダンク」で、流川や桜木の様なキャラが他の選手達と同様現実的な高校バスケ選手として扱われているのと同じ醍醐味がある…無いか(笑)。 なかなか過激なエピソードとは裏腹に薄味な作品だが、アニメでは印象が変わるだろうか。 「シュガーヒルストリート」にスチャダラパーが出た回、ユウ・ザ・ロックが喋り過ぎていたのは、緊張感に耐えられなかったからに違いない。
ジブラもスチャも相当気を遣っていて、その緊迫感は、正にタイトなヒップホップ・アクト…なんて。率直な気持ち悪いとか不健全だとかって批判があったとして、それも予定調和。 サイプレス上野とロベルト吉野のアルバム「ドリーム」の「イントロII」、全てのラインの末尾を「よ」で揃えているのは、「外野でウルサいHATE」へ当て付けたものに違いない(…多分。だとするなら、「日曜月曜火曜水曜木曜金曜土曜」のラインは最高に小気味好い)。大丈夫、ヒップホップはまだ怒りに満ちている(…多分)。 あ、このアルバム、ナオヒロックまで参加してる。スゲェ(…って、L.B.ネイションの現在、みたいなハナシになっちゃったな)! |
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